「星の王子さまミュージアム箱根サン=テグジュペリ」では、ヨーロッパ調の重厚な建物の外壁を、「王子さま」の衣装から選び取った淡いピンクやブルーで照らし出し、建物の高さを強調。建物手前のフランス庭園では通路に横縞状の光の帯をつくった。こうすることで垂直方向と奥行きの広がりが増し、中庭全体に一体感も生まれた。映像や音楽、噴水の動きなどと同期させて演出デジタルカラーライティングを導入すれば、映像や音楽、さらには噴水の動き、レーザー光などとも合わせて光をコントロールすることができる。特に噴水の細かい水しぶきは光の色で染まりやすく、相性が抜群に良い。故イサム・ノグチ氏がマスタープランを手がけた札幌のモエレ沼公園。ここにある「海の噴水」は、照明とともに噴水のプログラムもカラーキネティクス・ジャパンが担当した。噴水と光を一体で制御し、宇宙や自然をテーマとした演出に膨らみを与えている。噴水まで手がけたのは、DMX512という信号「E」を使い、照明と同時に水の噴出流をコントロールするシステムを構築することが合理的だったからだ。また、大阪・難波の娯楽施設「namBaHIPS(ナンバヒップス)」では、ホールに流れる音楽にリアルタイムに反応し、スロットマシンの背後に設置したLEDの光が変化する仕組みをつくった。「これらは制御信号への反応が速いLEDにしかできない演出です」と、プロジェクトマネージャーは説明する。以前はこうした演出照明にはハロゲンのスポットライトなどを使い、カラーフィルターで色を与えていた。フィルターは長時間使うと色あせてしまい、取り替える手間も費用もかかった。フルカラーのLED照明であれば、そうした運営や維持管理のロスが減る。演出の幅が広がるうえ、技術者が現場についていなくてもプログラムを自動で再生できるなど、従来の光源と同程度のコストで導入できる計算になる。