ヤマハ発動機は1955(昭和30)年に日本楽器の浜北工場でオートバイ生産に着手した。発売当初から2サイクル125ccのオートバイは「赤トンボ」と呼ばれ斬新なデザインと性能でヒット商品になった。ヤマハ発動機が設立された理由は、「戦争中プロペラをつくっていた機械が、余っていた。倉庫にしまっておくのも能がない、何かをつくろう、ということでオートバイの生産をはじめた」と、かつて社長を務めた江口秀人氏は語る。1955年、日本楽器が全額出資してヤマハ発動機は分離独立した。社長は日本楽器の川上源一社長が兼任。1960年、モーターボートと船外機を発売し、多角化への道に一歩踏み出す。その後、ローボート、ヨット、プール、スノーモービル、ゴルフカーなど、アイデア商品を続々発表した。1969年、「ヤマハ交通安全教室」をスタートさせ、二輪免許取得者の普及を推進する。楽器販売のノウハウである「教室商法」のオートバイ版といえよう。1974年にはレジャーランド「つま恋」をオープンし、「レジャー産業のヤマハ」というイメージを定着させたのである。1977年、ソフトバイクを発表、婦人の顧客層を開拓することに成功した。1980年、カリフォルニア州サイプレス市に「ヤマハモータUSA」の新社屋が落成した。1982年、静岡県袋井市に袋井工場が完成し、「HY戦争」が激しくなった。1984年には中国の重慶で「ヤマハエイト」の工場が稼働を開始した。
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